昨今、ホームページやフェイスブック、ブログを開設したからといって、すぐ販路拡大となるほど世の中甘くはありません。また、特に僕が関わる分野(音楽・芸能関係)は、個人法人を問わず皆さま、クリエイティブで素晴らしいページを作ってみえるのでページのインパクトや目新しさで惹きつけるのは中々難しいと感じています。
それでは、なぜ僕がホームページ、ブログ、フェイスブックなどを開設したかというと、僕が取り扱う音楽を可視化するためです。
音楽は、残念ながら目で見ることのできない芸術です。
可視化するとは、僕がどのようなポリシーで活動し、どんな過程を経てステージに立ち、音楽を作っているかということをお客さまにお伝えすることです。
また、僕の場合、活動内容が多岐に渡るため言葉で説明するのが難しく、ご相談頂いた内容に合わせ、「僕のホームページのこの部分をご覧ください。」「この動画のような感じはいかがですか?」と言えるようにするためです。
その上で、お客さまに価値をご判断頂くというスタンスです。
先日も音楽家のある方とのやりとりで、「NOと言えなくて自分で自分の首を絞めてしまっている自分がいると感じる時がある」というお話がありました。
先方に専門的知識がない場合、何が音楽家にとって負担がわからず、要求がエスカレートし、それに応えようとする音楽家が疲弊し、困惑してしまうというトラブルです。この「NOと言えない」という理由は、性格的なことも起因するでしょうが、大概の場合、何らかの力関係や縁があり無下に断れない、今後の仕事につなげたい等、理由があるわけです。要求する側もそれほど負担を強いているということに気が付いていない場合が多いかと思います。
わかりやすく例えると「レストランで100円(もしくはタダ)で最上級国産牛サーロインステーキを食べさせて下さいというお客さんがいて本当に困る。でも世話になってる人だし友達や家族を連れて、またお店に来てくれるかもしれないし、どうしよう⁈(涙)」といった感じでしょうか?あくまでオーバーな例え話です。
ステーキは、形があり視覚や味覚、嗅覚で認識でき価値がある程度定まっているので、このようなケースは、ほとんどないかと思います。(産地偽装などを除く)しかし、音楽の場合は、目に見えるものではないので判断しにくいのですね。
作曲と一口に言ってもメロディだけなのか、アレンジ込みなのかで作業量には雲泥の差があるのです。アレンジもどこまでの完成度を求めるのかで作業量に大きな差があるのです。(ゴーストライター問題は除く)
実際には、ある程度の相場もあるようですが、一般には公開されていないわけです。これに近いかわかりませんが、「お坊さんへのお布施や心付けっていくら?」なんて最近、テレビで特集されていますね。
「頑張らなくて適当でいいよ」と考えるクライアント様もみえると思いますが、プログラムに名前が掲載されたり、ステージに立つということは責任が生ずるわけで、一つ一つの案件がショーケースの役割も担っているのですね。
「今回は、実力の30パーセントの力加減で取り組みました。」としたら、それが実力だと認識されてしまう危険もあるわけです。さじ加減が難しいのです。
「何甘いこと言っとるねん!ブラック労働でもっと泣かされてる人がどれだけいると思っとるねん!!」と叱責のお声もあるかもしれません。(なぜか大阪弁?)
とにかくサービスを受ける側、提供する側の双方が納得する関係が望ましいわけで、そうした関係を築くためにもホームページやブログを開設し、可視化に取り組んでいるというわけなのです。
それが、信頼につながり、やがてはブランディングにもつながると考えています。
こうした状況を踏まえ、少しづつ身の回りの環境を整備できればと考え、インターネットを活用し情報共有したいことを発信しようという考えにたどり着いたのです。
以上の事柄は、これまでどちらかと言うとタブーというか言葉にし難い面だったことだと思います。また、アーティストや音楽家たるもの夢を売る職業なんだから苦労や努力を見せるものではないというご意見もあるかと思いますが、上記のようなトラブルを避けるためにも、どのようなことに費用や労力がかかり、スケジュール調整やスタッフ手配などについても理解が必要だと考え、僕の場合は、お客さまにメイキングを含めた活動情報を公開させて頂いています。
少しづつではありますが、自分なりにページの更新を続けて参ります。
引き続きご支援とご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
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