今回のブログ投稿は、いよいよ
「時代を超えて」制作秘話&エピソード2~イラスト編~です!
前回の作詞編で、作詞をする過程で、太陽のイメージが浮かび、そこから発展し五大をイメージさせる景色が浮かんだことをお伝えしました。今回の作品で絵師(イラストレーター)さんに要望としてお願いしたことは、この太陽のイメージと五大のイメージをイラストとして表現してほしいとお伝えしました。
口で説明すると難しくなるため、僕が何となく頭に浮かんだイメージをスケッチし絵師のお二人にメールで送りました。送ったスケッチは下記のような非常に稚拙なものです。
我ながらヒド過ぎる、、、。
上記のスケッチでは、五大の<地>を大地、<火>を太陽、<水>を大河、<風>を風になびくカイトの衣装、<空>を大空が示しています。今回の作品では、「時代を超えて」というタイトルが表す通り時間の流れが作品構成の一つの重要な要素になるため、時間軸の違う絵をタッチの違う作風の絵師さんに2枚描いて頂きました。
楽曲前半用として描いて頂いたトネリコ様の作品では、夜明けの太陽と満点の星空が、楽曲後半用として描いて頂いた深山海様の作品では沈む太陽とその色に染まる大空を描いて頂きました。
実は、この時間帯の違う太陽や背景にも意味が込められていますのでご説明します。
心象風景についてですので非常に主観的な内容を含みます。ご容赦下さい。
↑満点の星空と日の出が共存する空。特別な場合は除き実際にはありえないと光景と考えていますが、あえてリアリティを覆してもこの景色をお願いしたかったのは、
光と闇が交わる瞬間、つまり<陰陽とその調和>を背景イラストとして表現してほしいという想いがあったのです。相反する性質も、実は相互に関連し助け合うという事象を自然が知らせてくれているという意味が込められたイラストとなっています。コンピューターグラフィックスによる背景の緻密な描きこみが、まるで実写のようなリアリティで表現されています。大きく描かれたカイトと大自然のダイナミックな遠景背景という難しい構図と遠近感をとてもうまく描いて頂きました。
↑日没寸前の太陽ですが、僕が好きな
ゴッホの「種まく人」の構図にも何となく通ずるものがあります。(注:構図は僕が要望したものです。)「種まく人」と決定的に違う点は、人(カイト)が太陽の方を向き太陽の光を浴びている点です。この点に重要な意味があります。
夕日に照らされて、大地も大河も空も人も、その太陽の色に染まる瞬間。それは、自然の全てが繋がり一つであるということを感じさせてくれる瞬間です。そんな感動的な瞬間を作品として感じてほしいという願いが込められています。水彩画でありながら、「生」の力強さが感じられ、水彩ならではのぼかし技法が作品に独特の風合いをもたらしています。また、
キュビズムを想起させる背景の岩肌の荒々しく野生的なタッチが作品にアクセントを与えています。そして太陽をイメージした深山さま考案の衣装とギターがとても独創的です。ブルーがテーマカラーのカイトと太陽の色に染まるカイトという難しいテーマを見事に表現して下さりました。
この2枚のイラストが完成するまでには、構図や背景設定、カイトの衣装、表情、奏でる楽器、演奏の手さばき、配色など非常に多くのやりとりがあり、絵師さんには非常に多くの労力をかけ描いて頂きました。僕の要望に寄り添い耳を傾け素晴らしいイラスト作品を描いて頂き、心より感謝申し上げます。
下記は、ラフスケッチなど完成までに検討案として頂いたサンプルです。
<トネリコ様サンプルの一部>
<深山海様のサンプルの一部>
いかがでしたでしょうか?イラストに込められた意味や願いを知って頂くことで、また違って視点で動画を鑑賞できるのではないかと思っています。
さて、次回の「時代を超えて」制作秘話&エピソードは、作曲&アレンジ編をお送りする予定です。お楽しみに!!
下記は、今回ご協力頂いたイラストレーターさんの関係サイトです。
本当にありがとうございました。