新年になり初めてのキーボードサークルレッスンでした。昨年、断念した大河ドラマ「真田丸」よりメインテーマをやはり是非演奏したいという声が上がり、年明け始めてのレッスンは僕の「真田丸メインテーマ」の電子オルガン模範演奏?からスタートでした。演奏後に僕が曲や演奏について薀蓄(うんちく)をあれこれ傾けると「はー」「ほー」「ふーん」といい迷惑にも関わらずとても真剣に聴いて下さり、演奏意欲といい、向学心といい、情熱はどこから来るのだろう?と感心してしまいます。真田丸メインテーマを作曲された服部隆之さんは、高校時代に受けた電子オルガンコンクールで審査員をされてみえ、演奏し終えてからその頃を思い出してしまいました。
みなさんの参考にと思い、ユーチューブで大河ドラマの曲を検索していると、目に止まった動画があり、その動画を皆さんにもお見せしました。御年72歳で大河ドラマの大曲を電子オルガンで演奏される下記の動画です。
僕はなぜこの動画が目に止まったかというと、もちろん人生経験から滲み出る渋みというか雰囲気と味のある立派な演奏であるからなのですが、学生時代に和声法のレッスンでお世話になった故・竹内剛先生が演奏するお姿に重なったのです。竹内剛先生は、ヤマハ音楽教室やヤマハの電子オルガン・エレクトーン創成期の教則本を多数執筆されたり、演奏家や指導者向けに講座を開催するなど古くからのこの手の業界に詳しい方やヤマハ音楽振興会関係の方ならよく知ってみえる「エレクトーンの元祖」と呼ばれた先生(重鎮)です。
その昔、和声の課題や即興演奏のハーモニー付けでよく注意されたのを思い出します。もともとは音楽理論の先生でしたが、即興のレッスンの時に模範で演奏して下さいました。
僕が高校生の頃、業界の閉鎖的な体勢と行く末に疑問や不安、悩みを持ち、(周りに黙って)様々なメーカーの電子オルガンのコンクールに同時期に立て続けに出場したことがあるのですが、*どこで情報を聞きつけたのか、なぜかそのことを知ってみえて「荒らし(コンクール)、、、。道場破りだな。(笑)まあ良いことだけど。」とおっしゃいました。(*後にどこが情報発信源か突き止め、この時、業界裏相関図のようなものを高校生なりに理解しました。)
ぼくは「ギクッ」として背筋が凍ったような気持ちになったのを覚えています。この「良いことだけど」と言われたことに当時、「???」でしたが、電子オルガンに真剣に向き合った時に誰しも(例外あり)が感じる葛藤や違和感のようなものに繋がる言葉だったのかもしれません。
僕自身は、恐れ多くも「道場破り」や「コンクール荒らし」をしようとか体制批判・問題提起のつもりは全くなく純粋な気持ち(コンクールの参加規定や目的に準じつつも、広告宣伝費の対価としてのメーカーサポートに依存せず、特定機種やメーカーに左右されない電子オルガンによる自立した音楽活動が物理的に可能か検証する)だったからなのです。コンクールのシステム(暗黙のルール?)を知らずとも普通に考えればタブー中のタブーで今思えばあの頃の自分は血気盛んというか若かったですね。
ただ、この問題は僕個人の意見というよりは昔から内外で批判・指摘されていたことで、電子オルガンを続ける上で、どこかで決着をつけたい、納得し折り合いをつけたいという気持ちだったのだと思います。
そして電子オルガンに関わらず、どんなことであれ今ある状況を人や環境のせいにはしたくなかったのです。
こんな僕を天動説が常識とされた時代に地動説を支持し、「それでも地球は動く」という言葉が有名(弟子による宣伝効果を狙った捏造説もあり)な天文学の父ガリレオガリレイのようだと言う人もみえました。でも、もちろん僕はそんな才覚はもち合わせていないですし、第一に真理を追い求めたが故に権力や覇権争いに巻き込まれ、神を冒とくしたという因縁を付けられ、ガリレイのように宗教裁判(ガリレイの功績や今後の成功を恐れた者による作られた裁判という説あり。)とか軟禁生活とか困りますからね。参考ページ→ガリレオガリレイについて
今思えば、客観的な意見も総合すると時代の転換期、過渡期であり、(電子オルガンへの問いへの)結論は自分が思うより早い段階で出ていたのかもしれませんね。
すっかり話が長くなってしまいました。 さて、皆さんに竹内先生のお話をすると、「安井先生もあと40年したらきっと動画の方の様になりますよ!!ふふふ」と言われてしまいました。「そんなに長生きできるだろうか?指はこんなに動くだろうか?」色々考えてしまった僕なのでした。
「私、連休に海外旅行いくんですよ!」「えーまた行くのー!!!」「ウチの子、受験なのよ。」と皆さん、とてもお元気です。レッスンは早々に切り上げ、コーヒーやお菓子をご用意頂き新年会を開いて頂きました。慰問コンサートの依頼も受けてみえるそうです!キーボードサークルの皆さんの更なるご活躍に期待したいところです。
話は変わり、「デジタルミキサー」が到着しました。
以前から、導入するか悩んでいましたが、近年、野外イベントをはじめ、演奏だけでなく音響、照明もセットでのご依頼が多くなり、そうした現場はスタッフの人数、設営時間も非常にタイトなことが多いため導入に踏み切りました。
デジタルミキサーは結線作業が少ないので設営時間も20〜30分減り、コンパクトで搬入機材も減らせ、Wi-Fi無線でiPadなどタブレットでも操作できます。
この20〜30分という時間が現場では非常に大きく、その分の労力や時間を一番大事なリハーサルタイムに使えるのです。また、毎回襲ってくる時間に間に合うかという焦りや葛藤を軽減することができます。
また、リバーブやディレイ、コンプレッサーなどエフェクターも多数搭載し一台で音が作り込め、各種設定も記憶し、呼び出しも瞬時に出来ることなどメモリー機能の充実はデジタルならではです。時代の流れなのか求められる音楽によるのか様々な音楽シーンで見られる同期演奏(事前に用意しておいた音源と合わせて演奏すること)においても、カウント音やクリック音を歌手や奏者のイヤーモニターのみに送るとか、モニター用ミキサーをケーブル一本でつなぎ、モニター用ミキシングは歌手・奏者各々が操作するといったキューシステムも簡単に構築できます。
やはり無線だけだとトラブルが心配なので、基本は当分はインターネット接続でもよく使用されるEthernetケーブル一本でパソコンと本体を接続し操作することになりそうです。
これまでデジタルミキサーは難解で高嶺の花というのが一般的なイメージだったと思います。技術の進歩でコンパクトになり、僕の事務所のような零細音楽事務所の手に届く価格帯になってきたといえ、昨年末から機材への投資と導入機材の勉強が続き中々大変です。(汗)
しかし、事業をやっている以上、今後いずれ必要になるものばかりですので仕方ないですね。上記の写真左がエデットソフトをインストールしたパソコンとタブレット、右がコンパクトデジタルミキサーです。
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