今回の中川第九演奏会のプログラムは、第一部が名古屋市内中学校合唱部合同演奏(ピアノ伴奏)、第二部が電子オルガンソロ、ソプラノ独唱(ピアノ伴奏)、第三部第九4楽章(電子オルガン2台、パーカッションによる演奏)という流れでした。当初、ソロ演奏はおまけ的な感じで1曲のみ演奏する予定でいたのですが、15~20分程度という枠を頂いたので3曲演奏させて頂きました。
1、電子オルガンのための戦国交響絵巻「信長が駆ける!」、2、組曲「惑星」より木星、3、アニソン&ボカロスペシャルメドレーwith 初音ミクの3曲を演奏しました。
アニソン&ボカロスペシャルメドレーは、中学生が出演することを考えてセレクトしたプログラムですが、中学生合唱部は演奏終了後客席で演奏を聴かないことが後から発覚。(本番前リハ時に中学生が客席で聴いていましたが。)
客席のお客様の層がどういう年齢層なのかわからないので受け入れられるか不安な曲でした。
打ち上げでプロデューサーの前田さんからお聞きしたのは、以外とご高齢の方も興味深々だったとのことでした。
前田さんがおっしゃるには、高齢の方は「新しいもの」好きな方が多く、知的好奇心が刺激されるのだそうです。逆に高齢の方が恐れているのは、自分たちが社会から取り残されることなのだそうです。
なるほど、僕の父親もスマホやインターネットだの使い方を教えてくれと時々電話がかかってくる、、、。
僕が電子オルガンソロコーナーの選曲で考えたことは、名古屋市内だけでも何公演も実施されている第九の演奏会であるということです。僕も時々ご招待チケットを頂きます。例えば合唱団員の身内が来場する場合、これまですでに第九公演を何度も見に来ているということが想定されるのです。観る側としては、どんなに第九演奏が素晴らしいものであってもご自身が歌っていたり、クラシック通やクラシックがお好きな方ならまだしも、そうでない場合は市民一般向けコンサートとして考えた場合、いつも同じ感じでは苦しいのではないかと、、、。
という訳で現代の音やクールジャパンとして世界で人気を博している日本を代表するポップカルチャーであるアニソンや初音ミクのヒット楽曲を紹介する意味も込め演奏しました。初音ミクをフューチャーしたアニソン&ボカロヒットメドレーは、途中に「フレーフレー中川」という原曲にはないフレーズを入れた中川区スペシャルアレンジ版で演奏しました。
原曲のイメージを生かしつつ、パイプオルガンやクワイア(コーラス)、ゴスペル、電子的なシンセサウンド、和太鼓と掛け声、三味線、ディストーションギターやなど新機種の新しく搭載された色々な音が出てくるアレンジです。こうした実際の演奏シーンを無視し多彩な音色を使用する自由なアレンジ(同じステージに制約を超え多種多彩な楽器を並べる編成でアレンジすること)は、ともすると、とりとめなくなるものですが、いわゆる「リミックス」にヒントに曲の世界観やイメージから音色をセレクトすることで統一やバランスを保っています。
初音ミクは、いわば合唱とは真逆、対極の世界であるわけですが、初音ミクの音声合成技術は、何らかの事情で声を失った方のための声として、また銀行ATM、カーナビなど様々な分野で社会で生かされている技術です。
賛否両論あると思いますが大きな視野に立ってテクノロジーと音楽との関わり見つめることが大切なのでは?と考えています。日本のモノづくり文化は、世界で評価されている素晴らしい文化。日本の電子楽器開発もモノづくりの精神が生きています。
戦国交響絵巻「信長が翔る!」も電子オルガン・ソロで演奏。(動画はオーケストラ版)
中川区にゆかりのある前田利家公にちなんだ作品もいつか書いてみたいと思いました。
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