前奏曲「エターナル〜愛の海〜」解説
混沌(こんとん)とした心の海に一粒の雫が落ち波紋を起こす。
その波紋は、やがて大きな波の渦となり嵐を呼ぶ。
心の海は割れ、目覚める。愛という永遠に続く大海原に旅立つのだ。
<作曲の経緯>
「エターナル〜愛の海〜」は、既存のオリジナル曲をミュージカル「海のふしぎ」用の前奏曲(序曲)として心の海のイメージに改変した作品である。世界は「あなた(他者)と私(自分)」という関係性ですべてが成り立ち、いのちといのちは、永遠に繋がっていく。そんな心的情景を音楽として表現することを試みた。
女声ソプラノ独唱によるヴォカリーズ(歌詞を伴わない母音唱)は、「母なる海」や「海の女神」をイメージし「命の源」を象徴している。
楽曲後半に現れるオーケストラのユニゾン(同じ旋律を異なる楽器で一斉に演奏すること)風の音色で力強く雄大に奏されるメロディは、主人公が自分と引換えにしても他者を守りたいという(我を捨て自然や他と一つになること)、いわば自己犠牲の愛を描くこの物語のクライマックスシーンでも<愛と運命の音楽>として使用されている。
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