2010年7月30日金曜日

寛容



オーケストラと電子オルガンがアンサンブルする貴重な映像を見つけました。使用されているオルガンは、日本では発売されていないWERSIという海外メーカーのものです。曲は、難解な曲ではなく耳なじみのある曲です。電子楽器とアコースティック楽器とが共存共栄することが難しいと考える人や電子楽器そのものに嫌悪感を示す方もみえます。しかし、いかなることもお互いが歩み寄ることで平和に近づくことができるのではないでしょうか。東大名誉教授で免疫学者の故多田富雄先生が脳梗塞で声を失い死の直前まで免疫学の視点から寛容の世界について述べられていた事が心に残っています。もともと寛容という言葉は、免疫の反応からきた言葉なのだそうです。免疫は、異物を排除する働きだけでなく異物を受け入れ共存していく寛容反応というものがあり、この反応から寛容という言葉が他を受け入れるという意味で使用されるようになったのかもしれません。多田先生は、この免疫反応こそ人間の真理なのだと教えて下さっていたような気がします。人間の細胞組織に真理が隠されていたとは驚きとともに感銘を受けました。



モーツアルトのシンフォニーをWERSIのオルガンで演奏しています。オーケストラやバンドといった合奏を一人で演奏するということは現代の電子オルガンのスタイルの一つでもあります。この点について、電子オルガンの独自性がないと批判される方もみえます。実はこうしたスタイルは、人類の本質的な欲求によるものなのだと僕は考えています。電子オルガンのソロ演奏というのは、一人芝居に近いと感じています。もちろん集団での演劇も魅力ですが一人芝居というジャンルも役者の世界観を感じることができる素晴らしい魅力があるのではないでしょうか?僕は、電子オルガン独自の音や表現を追及していますがそれに固執するあまり視野を狭くさせてしまってはいけないと感じています。何事も寛容になることが大事なのだと感じています。なぜなら、電子オルガンの音楽活動による社会貢献を目指すことが大前提としてあるからなのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿