2017年5月13日土曜日

ICT⁈~音楽教育実践ジャーナル〜

学校の先生方を対象にした「電子キーボード講習会」の開催に向け、学校教育での電子キーボードや電子楽器の活用事例を色々調べていました。


「学校教育や音楽教育における電子楽器の可能性」というテーマで長年、研究を続けてみえる深見友紀子先生(京都女子大学教授)のHPの記述に気になる点があり、面識はなかったものの直接メールで確認をとってみたところ、すぐにレスポンスがあり多数の貴重な関係資料(連載記事や論文など)をファイルで送ってくださいました。
また、日本音楽教育学会出版「音楽教育実践ジャーナル〜特集音楽教育と電子テクノロジー〜」もご紹介下さり、早速、取り寄せて拝読させて頂きました。
国内はもとより、海外での実践、研究も多数掲載されており、大変勉強になりました。

*深見先生は、ICTミュージックセッションというHPを作成され、ICT関連の様々な実践や事例などを発信されてみえます。ぜひ下記のリンクにアクセスしてみて下さいね!!




資料の中で、たくさん出てくる「ICT」というワードがあるのですが、恥ずかしながら初めて見聞するワードで興味深く読み進ませて頂きました。

ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術、教育分野では情報コミュニケーション技術と訳される)」の略でコンピュターやネットワークに関連する様々な技術やサービスを指すそうです。現在では「IT」とほぼ同義と考えて良いそうです。
文部科学省では、教育の情報化を進めており「学校ICT環境整備事業」などを展開しているそうです。

学校教育におけるICTとは、ビデオデジタルカメラ、DVDから、コンピュータ、インターネット、電子黒板、実物投影機、プロジェクターなど学校現場に広く導入している新旧デジタル機器やデジタル教材全般、音楽ソフト電子楽器音楽編集ソフト、ICレコーダー、タブレットPC、グラフィックソフトなどが挙げられるということでした。

電子楽器やDTM(デスクトップミュージック(コンピューターミュージック))もICTと位置付けられるのですね。






ICTによる学校教育は、児童や生徒の関心意欲や教育の質を高め学習の習熟度を向上させることが期待できる一方、その普及には予算の問題(これが大きい)、地域差、保守派・慎重派の意見、教職員の意識、教材開発における著作権の取り扱いなどの問題があり、環境整備に様々なハードルがあるようです。


特に音楽科教育分野ではICT化が遅れているという記述も散見され、それが要因となり起こる一般社会の音楽と学校教育での音楽とのギャップ(隔たり)についての指摘もされていました。

「ICT=電子黒板、デジタル教科書」という論調に疑問を呈する意見や「学校教育におけるDTM(コンピューターミュージック)導入の普及と衰退」とその理由についての記述もありました。また、学校現場、メーカー、教育研究者、教育工学研究者、教科書会社、それぞれの違う立場の意見が掲載されてあり、何が問題なのかが明確になり非常に興味深かったです。


今回の「電子キーボード講習会」は、ICTに直結するものではないかもしれませんが、関連、伏線としてより現場に即した形で、より楽しい質の高い音楽の授業作りのお役に立てたら嬉しいですね。

これまで公立学校で電子オルガンコンサートをさせて頂いたり、子ども達と音声合成ソフトによる楽曲を発表したりしてきましたが、これらの活動も広い意味でのICTを導入した教育活動という側面持ち合わせているのでは⁈と思った次第です。
うーん、興味深いですね!!

僕としましては、教育の情報化政策の流れを汲み、「電子楽器から始める音楽教育のICT」をキャッチフレーズに、今後音楽教育と電子楽器の各分野が相互に連携し更なる発展に繋がるような支援・普及活動も展開していければと思っております。関係者の皆様のご理解、ご協力を賜ることができれば幸いです。



今回、突然のメールにも関わらず多大なご協力を頂いた深見先生に心より感謝申し上げます。








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